求人0・79倍 最大下げ幅/県内20年度 コロナ響き、1倍切る/3月失業率悪化4.4%
沖縄労働局(福味恵局長)は30日、2020年度平均の有効求人倍率が前年度比0・52ポイント減の0・79倍で、6年ぶりに1倍を下回り、統計のある1963年以降、過去最大の下げ幅だったと発表した。東日本大震災による不況から回復期にあった14年度の0・73倍とほぼ同水準となった。3月の有効求人倍率(季調値)は前月比0・01ポイント増の0・76倍だった。3月の完全失業率(原数値)は前年同月比1・5ポイント増の4・4%に悪化した。昨年から続く新型コロナウイルスの感染拡大が、雇用に及ぼす影響が顕著となった。(2面に解説、4、6面に関連)
20年度の新規求人数は前年度比29・5%減の9万8314人で、2年連続減少した。産業別では観光需要の減少で、宿泊・飲食サービス業55・4%減、卸・小売業49・0%減、生活関連サービス業・娯楽業41・4%減と、大幅に落ち込んだ。
県が同日公表した20年度平均の完全失業率は同0・8ポイント減の3・6%だった。
3月は、求人に対して求職者が減少し、新規求人倍率(季調値)は0・21ポイント増の1・51倍だった。新規求人数(原数値)は前年同月比5・5%減の9767人だった。県内旅行の需要喚起策「おきなわ彩発見キャンペーン」の実施で、宿泊・飲食サービス業で求人が同15・4%増えた。
一方、2月末に終了した県独自の緊急事態宣言下の営業時間短縮要請や外出自粛要請の影響が引き続き見られ、卸・小売業で求人が同52・1%減少した。
新規求職者申込件数(原数値)は、前年同月比11・5%増の7411件だった。このうち、離職者は53・3%を占めた。希望退職を募る動きがあったといい、事業主都合は前年同月から11・6%増えた。また、業況が悪くはないが、休業者などで再就職を検討する傾向があり、自己都合は10・7%増だった。
福味局長は「まん延防止等重点措置もあり、今後も厳しい状況が続く」と指摘。事業者には雇用調整助成金の活用を、求職者に対しては職業訓練を活用した職種転換を呼び掛けた。
2021/05/01 琉球新報朝刊 1ページ 851文字
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