<琉球新報就職フェア2022特集>県内の状況、アドバイス/沖縄労働局職業安定部 大山徹部長に聞く/支援の利用を積極的に
新型コロナウイルス感染症により、県内の雇用状況が悪化しています。現状や学生の就職活動の進め方について、沖縄労働局職業安定部の大山徹部長に専門家の立場から語ってもらいました。
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―2021年3月に卒業した県内大学生の内定状況は。
内定率は大学を通じて把握しているのですが、21年1月末時点で63・7%であり、昨年同時期の68・4%と比べると、4・7ポイント下がっています。例年、内定率は年度末に向けて上がっていくため、昨年3月末では最終的に90%に達しました。今年も現状より上がると考えられますが、コロナの影響で前年と同じ水準まで上がるか見通せません。
20年度はコロナの影響を受けながらも、動き出しの早い学生はしっかりと内定を得ていたようですが、一方、コロナ拡大で様子見をしていて出遅れてしまった学生も多数いたと考えています。そのような学生に対してハローワークや大学のキャリアセンターではさまざまな支援をしてきたところです。
―コロナを受け県内の雇用状況はどうなっていますか。
20年は、完全失業率が10年ぶりに悪化し、中途採用における求職者1人あたりの求人数を示す有効求人倍率も9年ぶりに悪化しました。有効求人倍率は昨年5月以降、10カ月連続で1倍を下回る厳しい状況が続いています。学卒の求人倍率は中途よりも高めとなる傾向はありますが、学生の就職活動は今年も厳しくなることが予想されます。
―その中で、どのように就活を進めればいいでしょうか。
早めに動くことが大切です。自己分析や企業研究などの就職活動を開始する時期について、全国的には大学3年の夏ぐらいが大きな山になっていますが、沖縄では4年生になる3月以降が一番大きな山になっているという民間調査もあり、半年ほどの差があることになります。もちろん、早い時期から準備を重ねてきた沖縄の学生も少なくありませんので、県内就職を考えているからという理由でゆっくりしていると、応募できる企業の選択肢も狭くなっていき、就職活動が長期化してしまいます。
現在4年生で、就職活動の進め方に不安がある、分からないと悩んでいるという学生は、大人を頼ってみましょう。親御さん、学校の先輩の他にも大学のキャリアセンターやハローワークには専任職員がいますので積極的に利用してください。
―どのような支援がありますか。
那覇新卒応援ハローワークでは学生専用のコーナーと支援メニューを用意しており、就活の進め方や志望動機・自己PR等の相談、オンライン面接を含む面接対策などをセミナーや個別支援で行っています。他のハローワークでも類似の支援を行っています。また、何に興味あるか悩んでいるという相談もできますので、まずは相談に来て、ヒントをつかんでほしいと思っています。親御さんと来て一緒に相談していただくことも可能です。
―就活生にアドバイスを。
もし就活に行き詰まっているなら、志望する業界、企業、職種の幅を広げてみてほしい。自分はその仕事のどこに興味を持っているのか、それは今考えている業界や企業でしかできないのか深く考えていくことで、自身の新たな一面も見えてくるかもしれません。収入面や福利厚生だけでなく、研修制度など、自分が成長できる会社かどうかという視点で探してもよいかもしれません。また、大手企業だけでなく中小企業にも目を広げて探してほしい。沖縄県民の90%が中小企業で働いていて、そこで生み出すサービスや商品によって沖縄経済が支えられており、優良な中小企業も数多くあります。
例年、沖縄の中小企業はこれから採用活動を開始する企業が多いですので、積極的に動いて自身に必要な情報を集めてください。情報は待っているだけではやってきません。何か1つでも魅力、やりがいを感じられる仕事に就いてほしい。そのお手伝いをハローワークができればと考えています。
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君と一緒に、全力の私たち。那覇新卒応援ハローワーク 住所 那覇市おもろまち1の3の25 ハローワーク那覇3階 開館時間 午前8時半~午後5時15分 (土、日、祝日は休み) (電話)098(866)8609 (音声が流れたら45♯を押す)
2021/04/28 琉球新報別刷り 4ページ 1747文字
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