雇用助成金上乗せ11億円/県累計、コロナ長期化で増/申請909件、支給決定867件
県が7月中旬から独自に実施している、雇用調整助成金の上乗せ事業の支給決定総額が10億9905万円に上ったことが18日、分かった。新型コロナウイルスの感染拡大が長期化し売り上げの低迷が続く中、助成金や融資に頼らざるを得ない企業も多く、9月以降も継続して1週間に50~80件の申請があるという。社会保険労務士(社労士)は助成措置が終わると、解雇や倒産が増えるのではないかと懸念を示した。助成措置の終了時期は未定。
同事業への11月13日時点の申請件数は909件、支給決定件数は867件だった。申請件数を企業規模別で見ると大企業が35・0%、中小企業が65・0%だった。
産業別では宿泊・飲食サービス業が39・2%で最も多く、次いで生活関連サービス・娯楽業が11・8%、卸・小売業が11・0%、運輸・郵便業が8・5%と続いた。
沖縄労働局では国の雇用調整助成金の申請を受け付けている。同日時点での申請は2万8950件、支給決定は2万8636件で、総額は269億7500万円に上った。申請件数は減ったが、継続して1日に約150件の申請がある。会社全体で休業するのではなく、売り上げが上がるまで一部の社員を休ませる部分休業が多いという。
窓口の相談員は「特例措置が『いつまで続くか』という質問は多い。稼ぎ時の夏場に稼げず、冬が厳しいとの声も聞く」と述べた。
窓口を訪れたケータリングを営む40代男性は「5月から半年、休業している。イベントや冠婚葬祭が減り、売り上げが6~7割減少した」と述べ、助成金の延長を求めた。
社労士の玉城巖氏は「助成金の申請が減っているが、退職者も増えているはずだ」と指摘した。その上で「融資や助成金で経営をつないでいる企業は多い」と述べ、雇用調整助成金の特例措置が終わると、解雇や倒産が増えるのではないかと懸念を示した。
2020/11/19 琉球新報朝刊 2ページ 776文字
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